2018~2019 ユーラシア大陸をめぐる旅

【イラン】ラマダンの季節にイランを旅しました

サラーム!イラン滞在も15日目を迎えました。先週からラマダンが始まり、国家的に断食が行われています。そんな期間なので、イラン人と話していると、よく「ラマダンだよね〜」って話題になります。

そうやって話してみると、ちょっと私の思ってたのとイランのラマダンは違うみたい。
今回は、ラマダンについてイランで見聞きしたことをまとめてみようと思います!

ラマダンが始まって・・・人々を観察していると

5月6日。ラマダン前日。
私はイランのシーラーズという街で、アケメネス朝ペルシアの首都、ペルセポリスに出かけていました。
ドライバーさんが、「明日からラマダンだから、パンとか食べ物は手に入らなくなる」と深刻そうに言っていて、そうだよな〜どうやって食べ物を手に入れるんだろうな〜とちょっと不安になっていました。

5月7日、ラマダン初日、朝。
泊まっていたホステルで朝食を食べていたら、スタッフの一人がチャイを飲んでいました。
あれ、ラマダンってチャイもダメなんじゃ・・・?
すると別のスタッフはがっつり朝ごはんを食べている!
あれ・・・?
あれか、特例で飲食OKってやつなのかな(妊婦や生理中の女性、高齢者は飲み食いOKらしい)?

5月7日、日中。
長距離バスの発着するバス停にて。
「今日からラマダンですよね!」って従業員のおっちゃんに聞いたら、「そうだね〜シーラーズの外ではね」って言われた。えええ、、どういうこと・・・?
外を見たらおじさんは普通にタバコを吸ってるし、乗客はもしゃもしゃ色々食ってる。
ラマダン中はタバコもダメだったんじゃなかったっけ・・・。

その後。
ゲシュム島のガイドのおっちゃんは「ラマダンで断食するのはひと家族に1人くらい」、
列車で出会った女の子たち「みんな隠れて食べてる」って言っていて、イランに対する「厳しいイスラム教の国」っていうイメージが崩壊し始めました。

私が思ったこと

列車で出会った女の子たちは、こう言っていました。
イランでは、政府が断食しろって皆に押し付けてる。でも私たちは断食しない!
イランって、なんでも政府が押し付けるから、それに対して反発して「断食しない」なんて思う人もいるんじゃないのかな?そもそも、宗教って誰かに押し付けられて実行するものじゃないだろうし。神様と自分との約束事なんでしょ。政府は入ってくる余地はないはず。。な気がする。あくまでも私の考え。

でも、ちゃんと断食している人はいます。シーラーズでのドライバーさんもそうだと思うし、列車の中で出会った女の子たちの親は「断食しなさい!」って彼女らに言っているらしいし、タブリーズの街中で出会った女性も「今は断食だから、飲み食いしない」って言っていました。

ほとんど全員がイスラム教の国だからこそ、ムスリムの中にもいろんな人がいる多様性が認められているのかもな〜って思いました

イランでのラマダン雑学

ラマダン期間中、ドラマが放映される!(朝ドラならぬ夜ドラ)

ラマダンドラマのワンシーン。

ゲシュム島でホームステイした時に。
夕食を家族みんなで食べた後、皆がテレビに釘付けに。
なんかシリアスなドラマが放映されていました。
聞けば、ラマダン期間中毎晩放送されるドラマらしい。だがファルシー(ペルシア語)だしインド映画みたいにわかりやすいストーリーでもないので私には全く理解できませんw
その家族のお父さんは「面白い面白い」って言っていました。

それにしても・・・
バスの中などでイラン映画をちょくちょくみるのですが、どれも内容が重い!&バッドエンドのものが多い!!暗い!!なんなのこれ!
これまで、「5人の男たちが騙しあって最終的に主人公の彼女も他の男とグルで主人公を騙してた」、という内容の映画とか、「一人の男が過去を回想している。女の子と恋に落ちたけど、車を猛スピードで運転してたら事故って、女の子は死んでしまった」という内容とか・・・(あくまでも言語がわからないので画面を見ていての理解)。なんなの!!

夕方のパン屋さんはものすごい人だかり!

断食といっても、飲み食いしないのは日の出〜1日の最後のお祈りまで。
夕方になると、住宅街には美味しい匂いが漂い始め、パン屋さんには長蛇の列が。街は食料を買い求める人々で賑わいます。

そんな夕暮れ時にパン屋さんを通りがかったところ、ものすごい人だかりでした笑
特に、イランの南の果て、ゲシュム島では日中とても暑く、誰も外に出てなかったので、夕方からの混雑ぶりは昼間のゴーストタウンぶりと比べるとほんと驚きですw

イランにはいたるところにパン屋さんがあって、「ラバシュ」というペラペラのパンや「サンギャッキ」というでかすぎ&硬いパン、「ノンネカンディ」という甘いパンなどなどが売られています。

この時間に賑わうのは、ラバシュやサンギャッキなどのプレーンパンのお店。人々は袋いっぱいに詰められたパンを持ってバイクに乗って家に帰ります。

サンギャッキ。デカすぎ・・・

みんなどんなご飯を食べるのかな〜。ラマダン時のご飯「イフタール」は、普段の料理とは違っているらしくめちゃくちゃ美味しいらしい!!食べてみたいなあ。

人々のラマダンスタイル

例えば世界中のオフィスワーカーなムスリムたちは、仕事とラマダンを両立していますよね。
ただしイランの田舎の男たちは、フレキシブルなワーカーが多いので、日中は寝る!!!って人も多いよう。ゲシュム島で最初に泊まったホステルのご主人は、「別の国のムスリムは大変。仕事しながらラマダンしなきゃいけないからね。けどイランはみんなムスリムだから、簡単。日中は寝て、夜活動する!」って言っていました。
その街ではラマダンだからか(?)、スーパーにしてもなんにしても従業員たちはとてもスローリーにやる気なさそうに働いていました。

テヘランやタブリーズなど、他の街ではオフィスワーカーも多いと思うので、そういう人たちは仕事とラマダンをちゃんと両立させているのでしょう。

子供は飲み食いできる

街を歩いていると、子供が日中隠れもせずにパンやアイスを食べている姿を目にします。その横には親も。そう、小さい子供はラマダンをしなくてもオッケー、っていう決まりがあるみたい。

どんな時・どんな人は飲み食いオッケー、ってたくさんのルールがあるみたいなので、もしかするとそこで飲み食いしてる人はそのルールに基づいて飲み食いしているのかも??

(ちなみに旅行中も飲み食いオッケーらしくバスや列車の中、列車の待合室などでは多くの人がモシャモシャ何か食べてました)

おわりに

イメージと全く違ったイランのラマダン事情。
ただ政府主導で「ラマダンだー!!」ってしてるせいで、日中はレストランやカフェはどこも閉まっていました。これが旅行者にとっては大変だった・・・。
外国人も泊まるようなホテルのレストランは開いているけど、なんか軽めのものが食べたい・・・と思うと選択肢はパンやポテトチップス。
この期間、パン食い過ぎてかなり太った気がする・・・汗
他に選択肢がないものだからなんかもしゃもしゃ食べちゃってました。

ラマダンに断食していない人でも信心深い人はいるし、前会った女の子なんて断食はしないけれど、メッカに巡礼したことがあるって言っていた。単に断食すればいいってだけじゃなくて、それぞれの方法で信仰心を深める、そんな期間なのかなあって思いました。

※単に私がイランの人たちを観察したり話したりしてる中で思ったことなので、誤解があるかもしれません。何か気づいたことがあったら遠慮なくメッセージいただけると嬉しいです!


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