2018~2019 ユーラシア大陸をめぐる旅

【ロシア】大自然の中に暮らす人々〜アルタイ 山あいの小さな街、チェマルへ

ロシア、アルタイ。シベリアの中央に位置し、中国やカザフスタンに接する山あいの自然豊かな土地です。シベリア鉄道は通っておらず、バスや車が地元の人の主な交通手段。
外国人旅行者があまりいないのか、情報があまりなく・・・
そんな中、アルタイ旅行の拠点の街、ビイスクにて初めてのカウチサーフィンを経験。そのホストに紹介してもらい、より山あいの街に住む、親戚宅に滞在できることになりました

今回は、そんなアルタイの山々や滞在先の人々の暮らしなど、ご紹介しようと思います。

アルタイについて

アルタイは、ロシア シベリア地域の中央にある、中国やモンゴル、カザフスタンと国境を接する地域。厳密には「アルタイ地域」と「アルタイ共和国」があり、今回の記事でご紹介するチェマルとアスカットは「アルタイ共和国にあります。


アルタイ共和国に住んでいる31%は、アルタイ人というテュルク系の人々。
彼らは元々遊牧民で、その歴史は3000〜4000年前まで遡るそう。
バスでアルタイ人の方と少し話したのですが、顔立ちも、名前も、言語も、スラブ系のロシア人とは異なっていて興味深かったです。顔立ちは、モンゴル系で、私たちにもどことなく似ているところがあるように見えました。

様々な民族が住んでいるロシア。民族固有の言語もあるけれど、皆ロシア語を話せる。ロシア語を話せたら、どんなに世界が広がるでしょうか!・・・と思い、ロシア語の勉強をはじめました。

カウチサーフィンのホストの親戚宅へ

アルタイ地方の都市、ビイスクにてカウチサーフィン。
アルタイ旅行の予定を聞かれ、「5日あるけど何も決めていない」と話したところ、なんとホスト家族の親戚を紹介してもらえることに

ロシアの人って、無愛想に見えて、優しい人たちばかりなんです・・・そんなところもロシアの好きなところ。

その親戚は「チェマル」という、ゴルノ=アルタイスク(アルタイ共和国の首都)よりも南にある山あいの街の近くにある村に暮らしているそう。
ビイスク、ゴルノ=アルタイスク、チェマルの位置関係は下の地図の通り。

ビイスクからチェマルへはもちろん鉄道は通っていません。
ビイスクのバスターミナル付近から出ているバスをホストに予約してもらい、早朝、送り届けてもらいました。

アルタイ旅行ビイスクからチェマルへの乗合バス

チェマルの絶景スポット

チェマルの川チェマルを流れるカトゥニ川

早朝のバスに乗り、親戚宅にそんな早く着いてもなあ・・・と思った私は、チェマルの有名スポットに寄ってから親戚宅に向かうことに。
その有名スポットが、この写真の周辺。水力発電所があり、その付近が散策できるように整備されています。

オープンの時間よりも早かったのですが、道を見つけて散策路に入ることができました。
バックパッカーなんてあまりいない地域なので、大きいリュックを背負ってぶらぶら歩いているアジア人が、変な人に見えたかもしれません 笑

チェマルの水力発電所チェマルの水力発電所
チェマルの水力発電所アトラクションもあります。

ここで時間を潰してから、スーパーでお菓子を買って、親戚宅へ向かうことにします。

ロシアでは、誰かのお家にお邪魔するときはお菓子とチャイを持っていきましょう!もし誕生日会など祝いの席に招かれたら、花束を

チェマルから路線バスに乗って親戚宅へ

水力発電所から、親戚宅へ行こう!・・・と思ったら、バス停が近くにありません。
そして、スーパーによって手土産を買いたいけど、スーパーもない。
ということで、スーパーやバス停のある街の中心まで、5km程度歩くことに。本当何にもないところだなあ。

チェマルこんな道を1時間ほど歩きました。

小さいスーパーでお菓子とチャイを買い、公共の路線バスで親戚の住む村へ。
路線バスも本数がかなり少ないので、注意が必要です
このとき、アルタイ人の人と少し話しました。ただ皆英語を話せないので、ちょっとしたロシア語の知識があると楽しいと思います。それかロシアのSIMを買ってGoogle翻訳を駆使しましょう

大自然の中に暮らす家族

チェマル親戚宅の裏にはカトゥニ川が

親戚は、妻・夫・小さい女の子の3人家族。
彼らは私が想像していたよりもすごいところに住んでいました。
夫が自分で建てたという家の裏には川があり、近くには小高い山が。庭では野菜を育て、馬と大きい犬と一緒に暮らしています。好きな時に自然と触れ合うことのできる生活。

朝起きて、少ししたら軽い朝食。
天気が良ければ庭の菜園で野菜を採って、冬のために瓶詰めの漬物を作ったり。
小さな女の子と一緒に遊んだり(もちろん彼女は英語を話しません)、裏山に登って新鮮な空気を吸ったり。
ロシアの、自然と共に暮らす人の生活を体験できたと同時に、こんな場所にも住めるんだな、ということや、シンプルな生活の素敵さに気が付きました。

自然とともにシンプルな生活を送ることがどれだけ幸せなことか気がつき、私の夢の一つになりました。

この家族とともに暮らして、様々気がついたこともあります。
いくつかご紹介しようと思います。

ロシアの宗教の多様性

ロシアといえば、ロシア正教、のイメージですよね。
しかし、なぜかインドからきた宗教(?)を信じている人も一定数います
世界的に有名な「クリシュナ教」はロシアでもメジャーな宗教ですが、カウチサーフィンのホストの奥さんや、この親戚宅では「サハジャ ヨガ」の創始者、「シュリマタジ」を信じていました

彼らの家には、シュリマタジの写真が飾ってあり、朝、チャンティングと瞑想ののちにおでこに赤いしるしをつけます。また、食事の前には、右手を前向きに開いてお祈りをして、食べ始めます。

この体験から、宗教の面でも、ロシアってとても多様な国だなあ、と改めて感じました。

松の実は国民的な食べ物

チェマルの暮らし松の実を松ぼっくりから取る

ロシア人といえばひまわりの種をよく食べるイメージです。
確かにシベリア鉄道に乗っている途中、ホステル、様々な場所でひまわりの種を食べている人を見かけました。
私が愛読している「RUSSIA BEYOND」というメディアで、下のような記事も見かけました。

ただ、ひまわりの種と同じく、松の実も、ロシア人に愛される食べ物のようです。
私が滞在したお宅では、家の近くで取れた大きな松ぼっくりを煮て、実を取り出して食べていました。

また、ウラジオストクではこんなアイスも見かけました。

松の実アイス松の実アイス

食べて見ても、松の実の味がよくわからないので、松の味風味!って全くわからなかったのですが(笑) 松の実は、国民的な食べ物のようですね。

自然の中で暮らすことを選ぶ人々

この親戚の暮らす村には、「アルタイに住むことを選んだ人々」が住んでいるように見えました。彼らはそれぞれの生業を持って、村で一致団結して暮らしているようにも見えました。

宗教のことを聞くと、この小さな村には仏教の人もいれば、クリシュナ教の人もいれば、この親戚家族のようにシュリマタジを信じている人もいる。様々な宗教の人が住んでいます。

また、この村には様々、可愛らしいお店があります。

アルタイ旅行チャイやドライフラワーを売っているお店

上の写真のお店では、様々な種類のチャイや、蜂蜜などから作られたオーガニックのクリーム、歯磨き粉などが売られていました。また、布を扱っているお店、アクセサリーを作っているお店、などなど・・・。

そして、こんな田舎なのに、若い家族が多いんです。
皆、この場所を選んで、移り住んできたのかな?なんて思いました。
私がこの村に滞在している途中、滞在先のお宅にとある家族が泊まりに来ました。彼らの子供も「アルタイに住みたい」と言っていました。アルタイは、都会に住むロシア人を惹きつける魅力的な地域なのでしょう。

別の場所で聞いた話によれば、ヨーロッパ中に、ナチュラルな暮らしを選んだ人々のコミュニティがいくつも存在しているとのこと。
それを知ったり、実際に彼らのように自然の中で暮らしている人を見て・・・どんな暮らしもやろうと思えば実現できるものなんじゃないかって思いました

旅を終え、東京という大都会でまた暮らし始める私。ロシア旅行で、「理想の生活は、やろうと思えば実現できる」ということを知り、日々の暮らしに対する姿勢が変わった気がします。ベランダで家庭菜園とか、身近なところから、理想の生活に挑戦して行こう!と思っています。

おわりに

この親戚宅に2泊3日し、帰りはビイスクのカウチサーフィン先のお宅にもちょっと寄ってから、シベリア鉄道の旅を再開すべくノボシビルスクへ帰りました。
アルタイには、また来たい、なんなら住みたい、素敵な場所でした。
冬はかなり寒いらしいですが。

日本のようにアメリカ側の国(そうですよね?)からすれば、謎に包まれたように見えるロシア。でも、実は様々な民族・宗教・考えの様々な人が暮らす多様な国なんです。そして気遣いやもてなしなど、なんだか日本とかぶるところもあり。

手土産を持って行ったり、贈り物やもてなしが好きだったり、なんだか日本人に似ていません?

その多様性を感じられるステイでした。
そしてロシアがさらに好きになりました。
私を受け入れてくれたこの家族、そしてこの家族を紹介してくれたカウチサーフィンのホストには本当に感謝です。


最後まで読んでいただきありがとうございました♪
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