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Russia

【ロシア】サンクトペテルブルク〜ドストエフスキーゆかりの地を巡る

サンクトペテルブルク

私のお気に入りの作家の一人が、19世期のロシアの作家、ドストエフスキー。
「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」などなど世界中で読まれている作品の著者です。

学生時代、「罪と罰」を読んだ私。「罪と罰」の舞台、サンクトペテルブルクに強い憧れを抱いていました。また、シベリア鉄道乗車中、暇な時間に短編集を読み、その中で「おかしな人間の夢」という作品に感銘を受けました。その作品も、サンクトペテルブルクの一角が舞台。

実際私は、サンクトペテルブルクでドストエフスキーの小説の舞台になった場所を(適当に)巡ったり、ドストエフスキー博物館を訪れました。今回は、そのことについてご紹介しようと思います。

ドストエフスキーって?

フョードル・ドストエフスキーとは、19世期後半に活躍したロシアの小説家。
キリスト教者の面もあり、彼の小説にはその思想が強く反映されています。
ドストエフスキーの生涯を少し振り返ってみましょう。

彼は、モスクワで1821年に生まれます。
父親は領土を持っており、休みの日には領地にある別荘で過ごすことも多かったそうです。
(その頃の体験が、短編「百姓マレイ」に記されています)

その後、学生時代・作家時代にはサンクトペテルブルクで暮らしていました。
処女作である「貧しき人々」は多くの人に評価されますが、その後はなかなか評価される小説を書くことができませんでした。
そんな時、入っていた社会主義サークルの影響で、1849年逮捕され、シベリアへ。1854年まで、オムスクで服役します。
(その頃体験したことが、「死の家の記録」という著書に描かれています)

服役を終えた後、1958年にサンクトペテルブルクに帰還。
数々の小説を著し、晩年、現代日本でも高く評価されている「カラマーゾフの兄弟」を執筆。その数ヶ月後、1881年1月に亡くなりました。

彼の生涯を見てみると、その経験が大きく著作に影響を与えていることが分かります。

ドストエフスキー博物館

サンクトペテルブルクドストエフスキー博物館のある通り

サンクトペテルブルクには、ドストエフスキー博物館があります。
この博物館になっている建物は、実際にドストエフスキーが2度居住していました(ドストエフスキーは頻繁に引っ越しをすることで知られています)。この建物で彼は、初期の作品「分身」と、晩年の傑作である「カラマーゾフの兄弟」を執筆しました。
博物館として一般に公開されるようになったのは1971年のこと。
このような場所が大切に保存されているのは、一ファンとしてとても嬉しいことですね。

博物館では、ドストエフスキーの仕事部屋や、食堂、子供部屋など、を見ることができます。

ドストエフスキー博物館ドストエフスキーの仕事部屋
ドストエフスキー博物館ドストエフスキー博物館の一室

ドストエフスキーファンにはたまらない場所だと思いますよ。

ドストエフスキー博物館

  • 開館時間
    月曜日:閉館
    火曜日、木曜日〜日曜日:11:00〜18:00
    水曜日:13:00〜20:00
  • 入場料
    大人 250ルーブル(約500円)
    学生 100ルーブル(約180円)
  • アクセス
     地下鉄ウラジミルスカヤ駅から徒歩1分

フォンタンカ運河

フォンタンカ運河夜のフォンタンカ運河

シベリア鉄道の中で、ドストエフスキーの短編集を読んでいた私。
その中でも、「白夜」という作品の舞台となったのが、このフォンタンカ運河。
「白夜」では、孤独な青年と美しい少女の悲しい(?)恋愛模様が描かれており、ちょうどこの2人が出会うのがフォンタンカ運河でした。

青年が、運河の端にある下宿に帰ろうと歩いていると、運河の橋で少女が泣いている姿を見かけ、そこから二人は時たま話をするようになります。

夜のフォンタンカ運河の雰囲気は格別。
帝政ロシアの時代にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥りました。
もう、ドストエフスキーの時代とは様変わりしている場所が多い中、フォンタンカ運河はタイムスリップしたかのような気分になれる貴重な場所です。

ネヴァ川

サンクトペテルブルクネヴァ川

サンクトペテルブルクを流れる、ネヴァ川。
こちらもサンクトペテルブルクの象徴で、時たまドストエフスキーの小説にも登場していいます。

ネヴァ川は、ロシア北西部にあるラドガ湖からフィンランド東のネヴァ湾に続く全長約74kmの川。サンクトペテルブルクは三角州になっており、いくつもの島が形成されています。

サンクトペテルブルクネヴァ川。対岸にエルミタージュ美術館が見える

北側の岸から川を眺めると、対岸には美しい建物が連なっています。
観光客を乗せた大型バスや、船は行き交っているけれど、その景色は、きっとドストエフスキーの時代から変わらないんだろうな・・・。
当時に想いを馳せながら、お散歩してみてはいかがでしょうか。

ネフスキー通り

サンクトペテルブルクカザン聖堂

ネフスキー通りは、サンクトペテルブルクのメインストリート。
旧海軍省からアレクサンドル・ネフスキー大修道院まで、およそ5km続いています。
上の写真は、途中にあるカザン大聖堂。
こちらもよく知られた場所で、2020年直木賞受賞作の「熱源」にも出てきたなあ、と記憶しています(何度もこの作品についてお話していますが・・・それほど胸を打たれた物語だったんです!)。

そんな有名な場所が連なっているネフスキー通りは観光客も多く、土産物屋、レストラン、カフェなどが集まっている場所でもあります。
車が行き交い、観光客が闊歩し、ドストエフスキーに描かれた当時の面影は失われていますが・・・今も大切に保存されている聖堂や古い建物などを見て、当時の景色を想像してみてはいかがでしょう。

サンクトペテルブルクネフスキー通り

↓カザン聖堂の北側に通っている大きい通りがネフスキー通り。

おわりに

ドストエフスキーゆかりの地の中でも今回ご紹介したのは私の心に残っていた場所。
当然ですが、当時の熱気、生々しさ、のようなものは失われているように感じられて、少し寂しいような。
私がだいぶ前に罪と罰で読んで感じた、サンクトペテルブルクの、人間の欲望や、美しいもの、醜いもの、様々なものが混ざった、そんな雰囲気を今回の訪問で感じることはできませんでした(ずいぶん昔のことなので、当たり前なのですが・・・)。

ですが、実際に彼が暮らしていた街を訪れて、実際に小説に登場した場所を訪れて、感慨深かったです。これからももっと彼の作品を読みたいな。