北海道での農家バイトを終え、農業に興味を持ち始めた私。
北海道ではネギ農家で、主にネギの箱詰め作業をしていました。
しかし、別のお野菜のことも知ってみたいな、別の作業も体験してみたいな、と思い、今回、都心から電車で行くことのできる千葉県の農家に5日間だけ住み込みバイトに行ってきました。
結果・・・仕事の内容が結構きつくて、仕事を終えた本日、全身筋肉痛です 笑
ここでは、仕事の内容や、北海道の農家との違い、感じたことなどを書こうと思います。
今回のバイト参加の経緯
私は9月〜11月の間、北海道の農家で2週間(ボラバイトで)+10日間(個人的に)住み込みバイトをしていました。
その際関わったのはネギの箱詰め作業。
毎日大量のネギがJAで指定された箱に詰められ、出荷されていっていました。
収穫されてきたネギは、根を切って、皮をむいて、規定のサイズごとに結束して、指定の本数で箱詰め、といういくつもの工程を経て出荷されていきます。
その際、規格外のネギや、加工の工程の中で傷がついてしまったネギは”ハネモノ”として捨てられたりするのをよく見ました。
こんなに立派なネギもハネモノ。他のお野菜と炒めて美味しくいただきました。
また、スーパー等に届けられたネギの箱の中に、ちょっと傷がついていたり変色していたりしたものが入っていたらクレームが来て、半額にされたりすることもあるという話も聞きました。
農業のこと全く知らない私は、単純に、生産者ってこんなに大変なのに、なんで立場がこんなにも弱いんだろう?、と感じたのでした。
※ 農業のこと全く知らない部外者なので、理解が間違っていたらすみません。
そこから、農業について少しネットで調べて見たところ、いろいろな取り組みがあることを知りました。
「6次産業化」「法人化」などなど、北海道で疑問に感じていたことを解決できるような取り組みがいろいろ。
へえ〜、もっと色々なところで、色々な農業の形をみてみたいなあ・・・。
そう思った私は、ボラバイトのホームページで、求人を探しました。
すると、ちょうど千葉県に法人化してやっている農家さんがアルバイトを募集していたので、5日間だけ住み込みバイトをすることに決めました。
千葉の農家での仕事内容
私が住み込みバイトをしていた農家では、大根・小松菜・キャベツなど、複数の野菜を同時に取り扱っていました。(この時点で北海道でバイトをしていた農家さんと違いすぎて驚きました)
複数の野菜を同時期に収穫・出荷をするので、毎日行う作業が異なります。
私の仕事内容は、こんな感じ。
・1日目 小松菜の調整、大根の収穫
・2日目 大根の収穫、大根の洗浄、小松菜の調整
・3日目 小松菜の収穫、大根のカット、小松菜の調整、
・4日目 キャベツの収穫、小松菜の調整、大根の箱詰め
・5日目 大根の収穫、大根の洗浄、小松菜の袋詰め、大根のカット
※小松菜の調整・・・変色した葉や虫食いのある葉を取り除き、出荷できる状態にします。
※大根のカット 葉と先端の部分、割れている箇所、虫食い等ある場所をナイフでカットして出荷できる状態にします。
北海道の農家では、単純作業を長時間やっていましたが、ここでは1日の中で複数の作業を行いました。
北海道の農家とは別のつらさがありました。。。
収穫作業
大根も小松菜もキャベツも、ここで取り扱っているお野菜は全て人手で収穫しています。
・大根収穫
大根は1本1本がとても重く、さらに腰を屈めながら行う収穫作業はとってもつらいです。
収穫後、地面に置いた大根を大きいコンテナに入れていくのですがそれなんかもはや修行と言えるレベルでつらい。腕に力のない私はヘロヘロになりながら大根と格闘していました。
・小松菜収穫
小松菜は1本1本は小さく軽いのですが、腰を屈めながら収穫を行うので腰が痛くなる・・・。さらに、力加減が難しい!ちょっと強い力で握るとすぐに葉っぱが折れてしまうので、細心の注意が必要でした。これまた大変でした。
・キャベツ収穫
キャベツは・・・1個1個デカすぎます、重すぎます(加工用のキャベツだったので、普段スーパーで売られているキャベツよりも大きく、重かったです)。まるでバスケットボールのようなキャベツを腰を屈めながら1つ1つ、包丁で収穫していきます。
いつも私たちが食べるキャベツは、上の写真のように収穫前、外側の葉っぱ(外葉)に包まれた状態のなのですが、この葉っぱに水が大量にたまっており、収穫作業の間に全身びしょ濡れになります。
また、収穫後地面に置かれたキャベツを大きいコンテナに入れる作業もかなり大変。
バスケットボール部に入りたての部員のようだと思いながら、キャベツをかがんでとって、コンテナに入れて、という作業を繰り返していました。
出荷までの作業
収穫後、作業場に運ばれてくる野菜たち。
まだドロが付いていたり、サイズや状態がバラバラだったりして出荷できる状態ではありません。
そのため、出荷までに、洗ったり、状態を確かめて良いものと悪いもので分けたり、重さを計ったりする必要があります。これもまた大変ですし時間がかかります。
・大根
(1)洗浄・選別
もともと地面に埋まっていたものなので、ドロが付いています。(ぶつけたり落としたりすると結構すぐヒビ割れてしまいます。こんなに大根が繊細なお野菜だったとは・・・)そのため、まずドロを落とす作業を行います。また、ヒビ割れていたり、まるでマンドラゴラのような変な形のものがあったりするので、良いものと悪いもの(B品)と分ける作業もここで一緒に行います。
この作業の中で、思ったのは・・・B品になるもの、多っ!
とてつもなくでかい大根、小さすぎる大根、ちょっと虫食いがあったりヒビ割れている大根は全てB品になるのですが、こちらの数が結構多く・・・。
とてつもなくでかい大根とか収穫できた時「デカー!」ととても嬉しかったのに、ちょっと悲しい。
こちらのB品は全て加工用になるので、問題はないのですが。。
(2)カット・箱詰め
B品になる大根は、両端と悪いところを切り落としてコンテナに詰めます。また、良い状態の大根は出荷用のダンボール箱に詰めます。
この作業、まず大根が重くて何本も持つのが大変!B品の大根の中には、まるで砲弾のようにでかい大根も・・・。1本何キロあるんだろう。
かなり大変でした。
収穫作業はもちろんこういうこまごました作業も機械化すればいいのに。と切実に思いました。。
・小松菜
虫食いや変色した葉を取り除く「調整」という作業を行います。これは結構好きな作業でした。
ただ、その過程で捨てられる葉っぱ多っ!
虫食いくらい、いいのに〜と思ってしまう。確かにスーパーで虫食いのあるものとないもの両方並んでいたら、ないものを選んでしまうけれど・・・。
仕事後、捨てられる葉っぱを何枚かもらって、美味しくいただきました。
※キャベツは、収穫しか作業をお手伝いしなかったので、その後のことは知りません。
私が感じた北海道の農家との違い
私が前回住み込みバイトをしていた北海道の農家は、大規模に1つのお野菜を取り扱っていました。
そのため、収穫は機械で行い、出荷作業を完全分業制でまるで工場のように朝から晩まで行っていました。毎日行う仕事は一緒で、いかに効率よく、素早く任された作業を行うか、が重要でした。
今回の千葉の農家は、複数の野菜を取り扱っているので、毎日行う作業が異なります。
「ここから注文がこれだけあったから、今日はこれだけ収穫して、出荷しよう。これだけストックしておこう」と、毎日異なるプランを立てて動きます。
同じ農業でもスタイルがこんなに違うのか〜とびっくりでした。
また、ただJAに卸しているのではなくて複数の取引先とやりとりして、注文を受けたり出荷したりしているようでした。これもまた全然違ってびっくりです(6次産業化、ってこのこと?)。
大根まみれになって感じたこと
収穫作業でこんなに大変なんだ!
今回感じたことといったらそれに尽きます。
野菜ってスーパーで安く売られているけど、こんなに大変な思いをして届けられているのだから、もっと高く売られていてもいいのに。
単純にそんなことを思っていました。
ただ今回の農家は、若い人たちもたくさん働いていて、農業を志している若者ってこんなにたくさんいるんだ!というのも知りました。
中には、将来独立するために夫婦で修行している方も。
日本の農業に明るい未来も感じました。
ただそれって地域によってかなり差がありそう。実際北海道でバイトしていたところは、高齢化半端なかったし・・・。
そして、農業にさらにさらに興味が湧きました。
やっぱり、体を動かして、クタクタになるまで働いて、ぐっすり寝る生活好きなんですよね〜。
もっと色々な農業のかたちを知りたいなあ・・・。
そんな大変で素敵な農業のこと、もっとたくさんの人に知ってもらえたらなあ・・・。
このブログによって、少しでも、農業に興味を持ってもらえたり、毎日の食に関心を持ってもらえていたら嬉しいです!