2019年5月、イラン→アルメニア→ジョージア→トルコ東部を陸路で巡った。
その中でも、トルコのガイドブックをパラパラとめくる中で行こうと決めていたのがワン。トルコ最大の湖、ワン湖の東岸にある小さな街だ。
今回は、ワン湖とはどういう場所なのか、どんな歴史があるのか、どんな特徴があるのかをご紹介する。
あまり外国人観光客が多くないが、イスタンブールから国内線を使えば気軽に行くことができる。是非、西側とは少し違うトルコを見に行ってみてほしい。

トルコ最大の湖、ワン湖

トルコ最大の湖、ワン湖。
面積3,755平方キロメートル、琵琶湖(670平方キロメートル)の5.6倍の大きさだ。
流出する河川がないため、塩湖となっているワン湖。
流入する河川の成分によっては湖の色が変化することがあるらしい。
また、長い歴史の中で大きな水位の変動があったり、UMA(未確認生物)が撮影されたという話もあったりと、なんだかミステリーな湖である。
ワン湖と東岸の街ワンの歴史
ワン湖の東岸、現在のワンの街は、紀元前9世紀ごろから6世紀ごろまでウラルトゥ王国の首都が置かれていた。ウラルトゥ王国は「ビアインリ」とも呼ばれ、それがワン(Van)の語源になったとか。
現在も、ウラルトゥ時代に建てられた城塞が残っている。
城塞から眺めるワン湖は本当に美しい。ワンを訪れたら絶対に行くべき場所だ。

その後、アルメニア王国の都市として栄えたワン。
しかし、巨大な王国に挟まれるというその地勢上、東ローマ帝国やアラブ勢力、ペルシャやトルコなどの侵略/支配を経て、16世紀にはオスマン朝に支配されることになる。
ワン猫

ワン湖のあるワン県は、ワン猫が発見されたことで有名だ。
ワン猫は白い毛、琥珀色と青色の瞳が特徴の猫。しばしばオッドアイのものもいる。他の猫にない特徴として、水が好きなことが挙げられる。
ワンの街の郊外にはワン猫の研究センターがある。この研究センターでは、ワン猫を身近で観察することができる。
とても希少な猫のため、海外での飼育は禁じられている。猫好きの方は、是非ワンでワン猫を見に行ってはいかがだろうか。
ワンの近年〜トルコ東部地震(2011年)
2010年、ワンの街をマグニチュード7.1の巨大地震が襲った。
この地域は昔から地震の多いエリアで、1976年にも約4000人が死亡した大きな地震があった。
私がワンを訪れた時には地震から8年経ち被害の面影は全くなかったが、人と話しているとしばしば地震の話題になった。
ワンを訪れる際は、この地震のことを少しでも知っておくといいかもしれない。
おわりに
トルコ東部の不思議な湖、ワン湖。
長い歴史のあるこのエメラルド色の湖には、様々な魅力がある。
これからいくつかの記事に渡り、ワンの魅力を綴っていく。トルコにはこんな場所もある、ということを知ってもらい、いつか行ってみたいなと思ってもらえたら嬉しい。
