2019年の4月〜5月にかけて、イラン、アルメニアとジョージアなどの南コーカサス地方、トルコ東部、イスタンブールとエディルネといったトルコ西部を旅した。今回はその中でもトルコで感じたことを書く。
トルコの東の果てと、西の果てを旅して、トルコってすごく多様で、一言で言い表せない国だということを知った。
今回は、この旅で実際に聞いたことや感じたことをまとめてみる。

東と西〜アジアとヨーロッパ

↑ドゥバヤジットのメインストリート

↑エディルネのメインストリート
トルコ東部がアジアな雰囲気とすると、トルコ西部はヨーロッパな雰囲気。
トルコ東部ではカフェでチャイを飲みながらタバコを吸っているおじちゃんたちをたくさん見かけたが、イスタンブールやエディルネ(ギリシャやブルガリアとの国境に位置する街)ではテラス席でくつろぐ外国人観光客を多く見かけた。
トルコ東部の街、ワンから飛行機で西部に移動した時は、同じ国でこうも違うものなのか、と驚いた。
宗教〜様々なタイプのムスリム

↑エディルネの世界遺産、セリミエ・モスク
トルコではイスラム教徒が多い。ただ、敬虔なムスリムかそうでないかは人によって差がある。今回旅をして色々な人と話してみると、トルコ東部に信心深いムスリムが多い印象だった。
トルコ東部では、若者たちも率先してラマダンを行い、何か悩みがある時には、モスクにお祈りに行っていた。ヒジャブを自分の意思でつけている女の子も多い。
その一方で、トルコ西部の若者たちに話を聞くと、イスラム教を信じていない、という人が多かった。ラマダンもやっていないし、なんと「アザーンの音が嫌だ!」という人まで。
私がこれまでアザーンを美しい、と思っていて、それをムスリムの人に言ったら話が盛り上がるのでは!?と思っていたため、その固定観念が覆された出来事だった。
人〜クルドの人々

トルコ東部では、クルドの人々を多く見かけた。
ドゥバヤジットで訪れたこの村の人たちだけでなく、案内してくれたアフメドさんや、ワンでイフタールに招いてくれた青年もクルド人。
クルド人とは、トルコ、イラク、イラン、シリアや中東の国々にまたがる形で分布する山岳民族で、独自の国家を持たない世界最大の民族集団。
人口は2,500万〜3,000万人と言われており、中東ではアラブ人、トルコ人、ペルシャ人に次いで多いそうだ。
多い人口を持ちながら、オスマン帝国内に居住地を構えていたことからオスマン帝国が第一次世界大戦に敗れた後は列強諸国によって分断され、今のように様々な国に散らばって暮らすようになった。
今でも、クルド人の独立を求め活動している人々がいる一方で(トルコとシリアとの国境近く、ディヤルバクルやマルディンのあたりは、外務省の海外安全情報で「渡航はやめてください」との情報が出ている)、海外に活路を求め移民となる人々も多いとのこと。
トルコに住むクルドの人々は、現在、不利な立場に置かれているわけではないと思う。クルドの地域の踊りが全国的に有名だったりと、クルド地域も含めてトルコ、と皆が思っている印象だ。
ただ、実際にクルドの人々と交流することによって、民族問題に興味を持つきっかけとなった。
スイーツ
トルコは広く、地域ごとに独特の食べ物がある。
その中でも地域差を感じたのが、スイーツ。

例えば、トルコの代表的なスイーツ、バクラヴァ。
これはもともとトルコ東部のお菓子で、特にディヤルバクルのヴァクラヴァは全国的に有名だ。

また、トルコ西部エディルネでは、こんなお菓子を見かけた。
「ハイラボル(Hayrabolu)」というお菓子で、カステラ生地をシロップに浸したようなお菓子。トルコ東部では見かけたことがなかったので驚いた。
このように、地域によってスイーツは様々。
いつかトルコ全土を巡って、スイーツ巡りをしてみたい、と思った。
おわりに
トルコと言っても、地域によって様々。
今回は東部と西部の違いを挙げたが、絶対に、黒海側、内陸部、などなど地域の違いはもっとたくさんあると思う。
今回はトルコ旅行に半月ほどしか充てられなかったので、次もしトルコに行くときはもっと長期間、様々な場所を旅してみたい。
また、これからトルコに行く方には、首都イスタンブールやカッパドキアだけでない、どこか別の場所にも行ってみることをお勧めする。
きっと、ガイドブックには載っていない、新しいトルコを見つけられるはずだ。
