バルカン半島に位置する北マケドニア。下調べ無しで地図で見つけた大きな湖「オフリド湖」へ行ってみたのですが、なんとヨーロッパ最古の湖で、その歴史と生物多様性によってユネスコ世界遺産に登録されていました。
この記事では、そんなオフリド湖と周辺エリアの歴史や見どころをご紹介していきます。
CONTENTS
オフリドの概要
前回の記事でもオフリド湖や湖畔の街オフリドの概要をご紹介しましたが、ここではもう少し詳しく書いていこうと思います。
地理
オフリド湖は、北マケドニアとアルバニアの国境にある湖。世界で最も古い湖の一つで、ヨーロッパではおそらく最古の湖であろうと言われています。バルカン半島で最も深い湖でもあり、ここでしか見られない動植物が300種類以上生息しています。
この湖の水は、アルバニアを通りアドリア海へと流れていきます。
歴史
オフリドの歴史はかなり古く、東ローマ時代の文献にもオフリドについての記述が残されているそう。その存在はギリシャ神話ともつながるんだとか。
街は、古くは「青く透明な水をたたえた湖」という意味のギリシャ語の名が付けられており、ブルガリアに支配されて以降オフリド、という名で呼ばれるようになったそう。
宗教
オフリドでは古くからキリスト教が信仰されており、10世紀末〜11世紀初めにブルガリア帝国の首都が置かれた時代には、ブルガリア正教会の主教座が置かれていました。
今日市内に現存する教会のほとんどは東ローマ時代とブルガリア帝国時代に建てられたものだそうです。
その後オスマン帝国に支配されると、キリスト教徒の人口は激減。貿易の拠点として栄えるとその数は回復しますが、オスマン支配の影響は今日にも見られ、古い教会とモスクが一緒に立ち並んでいるバルカン半島ならではの姿をここでも見ることができました。
キリル文字発祥の地
オフリドはキリル文字発祥の地とも言われています。
オフリドの主教となった聖クリメントが考案し、その後グラゴール文字というのが開発され、それをもとにキリル文字が開発されたそう。
聖クリメントは初めてスラブ語で説教・著述活動を行なった人として知られており、キリル文字の前身のグラゴール文字は近代までクロアチア語の表記に使われ、Unicodeにも登録されています。
↓グラゴール文字
世界遺産への登録
オフリドは1979〜80年にかけて、「オフリド地域の自然・文化遺産」としてユネスコの世界遺産に登録されました。
オフリド湖の生物多様性と古くから文化の中心地として栄えたことによるユニークな街並み、歴史的な価値の高い品々。これからも保全して後の世代にも受け継がれていってほしいなと思います。
ちなみに、オフリドの教会・修道院には貴重なイコン(聖像画)が収蔵されているのですが、なんとモスクワのトレチャコフ美術館に次ぐイコンのコレクションなんだとか。
次からは、オフリドを訪れたらぜひ訪れてほしい場所や、私が魅力に感じた場所をいくつかご紹介していきます。
オフリドの魅力
オフリドは、くねくねと入り組んだ歴史ある街並みと美しい湖がとても美しく、目的もなく細い路地を歩いていると、なんだか別の世界に迷い込んでしまったような感覚になってしまうような場所でした。
私がオフリドに滞在した数日間は雨や曇りで肌寒かったのですが、そのせいか他のヨーロッパの街では感じたことのない幻想的な雰囲気を感じることができ、逆に幸運だった気もしています。
オフリドで行くべき場所
要塞跡(Samuel’s Fortress)から町を見下ろす
いくつかある見どころのうち、オフリドを見下ろすことのできる要塞跡(Samuel’s Fortress)は特にオススメ。
この要塞跡は、10世紀のブルガリア帝国時代に建てられたもの。なんとこの要塞の下には、4世紀にマケドニア王国の王によって建てられた要塞があるんだとか。
入るには少額の入場料が必要だが、要塞から眺めるオフリドは本当に美しかったので、ぜひ訪れてほしいなと思います。
私の訪れた時には、湖、赤い屋根と白い壁の家々と低く立ち込める雲、深い緑色の木々がなんとも言えないファンタジーの世界のような雰囲気を醸し出していて、とても不思議な気持ちになりました。
街歩きと教会巡り
オフリドには、長い歴史を持つ教会がいくつも存在しています。
それぞれがこじんまりとしており、美しい街並みの中にひっそりと佇んでいる姿がとても印象的でした。
また、オフリドの歴史を物語るような光景も見ることができました。
教会の敷地内から見えるモスクの尖塔。
赤い屋根と白い壁の家々が立ち並ぶヨーロッパ風の街並みの中、教会とモスクが共存している姿は、ギリシャ、ローマ、オスマン帝国といった大国に挟まれたこのエリアならではなんじゃないかと思います。
オスマン時代の建物が残る山あいの村
オフリドの旧市街からタクシーで山あいにある村へ行くことができます。この村へはタクシーで往復8ユーロでした。
タクシーの運転手によれば、この村にはオスマン時代に建てられた建物がまだ残っているんだとか。
中には石垣だけしか残っていない建物もあり、オフリドの歴史の古さをここでも感じることができました。
この村から見下ろすオフリド湖もまた美しかったので、この場所に景色を見に行くのもオススメです。
少し足を伸ばして〜聖ナウム修道院
※私はこの時ちょっと面倒で訪れませんでした
オフリドの街から南に約26km、アルバニアとの国境の本当に近くに位置する聖ナウム修道院。ユネスコの文化遺産に登録されています。
元々は10世紀に聖ナウムによって建設された修道院で、現在の建物は16世紀に再建されたもの。聖ナウムは、聖クリメントとともにスラブの人々にキリスト教を広めた事で知られており、グラゴール文字やキリル文字の作成に携わっていたんだとか。
聖ナウムは今でもこの修道院に眠っています。
この場所はオフリドからの1日トリップの場所として有名で、滞在していたホステルでも多くの人が訪れていた。
ツアーでも行く事ができるし、本数は少ないがローカルバスでも訪れる事ができるようです。
おわりに
北マケドニアの一大観光地であるオフリド湖。
メインストリートにはレストランやバーが立ち並び、ホテルも数多く、とてもツーリスティックな場所になっていました。
ただ、幸運にも私が滞在していた時のほとんどが雨で肌寒く、静かで雲が立ち込めている、幻想的な湖を目にする事ができました。
ぜひ、静かな時を狙って訪れて雰囲気を感じていただきたいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪
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