2018~2019 ユーラシア大陸をめぐる旅

【トルコ】アララト山の麓の街 ドゥバヤジット〜クルド人の歴史・文化を学ぶ旅

クルド人村

イランからアルメニア、ジョージアをめぐり、トルコの東の果て、アララト山の麓の街ドゥバヤジットへやってきました。イランとの国境に近いため、イラン系の人も多く住んでいたり、クルド人が多く住んでいたりと、街や人々の様子は、イスタンブールのあるトルコ西部とは全く違っていました。

今回は、ドゥバヤジットで見るべきスポットと、私が出会ったクルド人ガイド、メフメドさんについてご紹介していきます。

ドゥバヤジットとは

ドゥバヤズット

イランやアルメニアと国境を接するトルコ東部の小さな街、ドゥバヤジット。標高5000m級のトルコ最高峰、アララト山の麓にあり、街の標高は1600mととても高い場所に位置しています。

この街の歴史は古く、ウラルトゥ王国の時代(2700年以上前)まで遡ることができるそう。その場所柄、古くからペルシア、アルメニア、ビザンツ、トルコ、などなど様々な勢力によって征服されてきました。

19世紀にはオスマン・ペルシア戦争やロシア・トルコ戦争が起き、元々この地に住んでいた多くのアルメニア人が住む場所を追われました。その後、もともとアルメニア人が住んでいた場所にはクルド人が住み着きましたが、トルコ軍がその地を破壊。その後建てられた街がドゥバヤジットだそうです。

「Doğubayazıt」は「東のバヤジット」、という意味で、もともとはイサク パシャ宮殿のあった場所(今の街から見て西側・上の写真の場所)に街があったそう。

今でも宮殿の近くにはボロボロに崩れた家屋を見ることができます。

クルド人ガイド、メフメドさん

私が街のメインストリートを歩いていて偶然出会ったのが、クルド人ガイド、メフメドさん。イランへのビザの手配やガイド、ホームステイなど広く観光業に携わっており、地球の歩き方にも彼のことが載っていました。

メフメドさん

ドゥバヤジット付近には、ノアの方舟やクルド人村など、自分の足では行くことのできない名所が点在しています。彼に頼めばタクシーの手配や場所についての解説もしてくれるので、お勧めです。

自分のことよりも他人に何かしてあげたい、ちょっとお節介だけど憎めない人でした。私は2日間に渡り彼のお世話になりました。

現存する貴重なトルコ建築〜イサク・パシャ宮殿

イサク・パシャ宮殿

イサク・パシャ宮殿は、ドゥバヤジットの街の南東にある宮殿。
1685年に建設が始まり、1784年に完成しました。現存するわずかなトルコ式宮殿の一つで、イスタンブールのトプカプ宮殿に次いで重要な位置を占めているそう。

宮殿の中は、調理場や牢屋、王や妃が住んでいた部屋や客間など、いくつかのセクションに分かれています。それぞれ、装飾や建てられ方にも意味があり、解説を受けながら巡るとさらに楽しかったです。

イサク・パシャ宮殿

これは図書館として使われていた部屋。
天井がドーム型になっていたり、イスラム教のお祈りのための場所があったりと、昔はお祈りにも使われていたのかな?と思わせる建築です。

イサク・パシャ宮殿

20世紀に起きた戦争の際、トルコ軍がこの建物を使っていたそうで、その時の炊事の跡が今も残っていました。

イサク・パシャ宮殿

この宮殿、あまり保存状態が良くなく、変に屋根がつけられていたり、改築されていたり、と残念な箇所が多々ありました。これから、この歴史のある景観が損なわれないように保存していってほしいな、と思います。

イサク・パシャ宮殿の入場料は5TL(約100円)。
街からは6kmほど離れているので、タクシーで行くのが無難です。

山あいで伝統的な暮らしを送る〜クルド人村

クルド人村

イランとの国境近くの草原の広がる場所にクルド人の村々が点在しており、その中の一つにお邪魔しました。

彼らは寒暖差の激しい厳しい場所で、伝統的な暮らしを送っているようでした。
家の外には燃料として使われる家畜の糞が乾かしてありました。

クルド人村にて

お邪魔した家の人々はみな暖かく私を迎えてくれて、一人のおばあちゃんなんかしきりに「ここにお嫁に来なさい!」と言ってきました(多分そう言っていた)。

クルド人村

ここにくるまで、実はクルド人、という名前は聞いたことがあっても、彼らに次いてなんの知識もなかった。
クルド人は、今でも自分の国が持てていない民族の一つで、トルコやイラン、イラクなど広範囲にわたって暮らしている。若者たちの中には、今でも自分の国を持ちたいと活動している人もいる。そんな彼らに興味を持つきっかけになりました。

ドゥバヤジットに行ったら、ぜひ彼らの暮らしを目で見て、彼らについて興味を持ってもらいたいなあと思います。

AZUSA
AZUSA
この数年後、偶然にもインスタでこのご家族の親戚の子と繋がりました。彼女は今イスタンブールで大学生をしているっぽい。SNSの時代の良いポイントですよね

ノアの方舟が漂着した跡?〜ノアの方舟

ノアの方舟

アララト山の麓に、ノアの方舟が漂着した跡!?と言われている場所があります。
実際見てみて(上の写真)、「いや、どこがノアの方舟・・・?」と思ってしまったのですが・・・GoogleMapのレビューを見ると信じている人は信じているみたいです。

ノアの方舟

日本でよく見る「世界人類が平和でありますように」の柱がここにも!

イランとの国境近く

個人的にはこの、羊飼いと羊の群れの光景が今でも心の中に残っています。いつの時代だろう。地球上には都市で我々が生きる時間と同じ時間にこういうふうに暮らす人もいるんだよなあ。

イランとの国境近く

この付近の景色は本当に美しく、なんだか別世界に来てしまったような気持ちになりました。また訪れたい。いろんな人にこの光景を見てもらいたい。

おわりに

アララト山

トルコ東部、アララト山の麓の街、ドゥバヤジット。
観光地として有名なイスタンブールなどのあるトルコ西部とは文化や住んでいる人々が全く異なっており、同じトルコか?と疑ってしまうほど。

同じトルコに住んでいても、「トルコ人」、と括ることはとても難しいな、と実感しました。。また、その壮大な景色を見て、本当に私が暮らす地球と同じ場所?と不思議な気持ちになりました。

私はイスタンブールやエディルネといったトルコの西部も訪れたが、それに比べてもドゥバヤジットを始めトルコ東部はとてもオススメのエリアです。見たことのない景色を見たり、触れたことない文化に触れることが好きな方にはぜひ訪れてみてほしいと思います。


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