ウラジオストクからシベリア鉄道に乗って約3日。
バイカル湖への起点となる、シベリア東部の街、イルクーツクへやってきました。
イルクーツクはシベリアのパリとも呼ばれる美しい街。教会や劇場、オペラ座など様々な美しい建物が立ち並んでいます。
今回は、イルクーツクの街を歩いた際のことや、滞在したホステルでの出会いについてご紹介します。
CONTENTS
イルクーツクとは?
地理
イルクーツクとは、シベリア東部に位置する都市。バイカル湖の西岸に位置し、2つの川の合流地点に位置しています。
バイカル湖畔の街、リストヴャンカまでは約70km、バイカル湖の島、オリホン島までは約300km、ブリヤート共和国の首都、ウラン・ウデまでは約450km。
歴史
イルクーツクの歴史は、17世紀半ば、コサックの宿営地が起源となっています。
古くからこの場所は清やタシュケント(現在のウズベキスタンの首都)との交易の基地として使われ、様々な民族の人が訪れる交易都市だったそうです。
また、他のシベリアの街と同じく、帝政ロシアの囚人や政治犯が流刑される街でもあり、街にある様々な建物が流刑者たちによって建てられました。
イルクーツクの名所
さて、ここからはイルクーツクの見どころをご紹介していきます。
美しい教会、川、中心部のヨーロッパ風の街並み、市場・・・観光客も多くなく、静かな癒される街でした。
今回ご紹介するのはこれらの場所。
紹介順に歩くと、ぐるっと街を巡る、1時間ほどのルートになります。
- カザン大聖堂
- モスクワ門
- コサックの像
- ボゴヤヴレニヤ大聖堂
- スパスカヤ教会
- 中央市場
カザン大聖堂
街の北西部に位置するカザン大聖堂。
タマネギ型の屋根や、鮮やかな色彩など、いかにもロシアの教会、っていう見た目の可愛らしい教会です。
資産家によって建てられた教会らしく、内部はもちろん無料で見学できます。
ただ、早朝訪れたところ、敬虔な信者の方々が静かに行き交っていて・・・キリスト教を信仰してもない私が、興味本位で行けないな・・・と思ってしまい外観のみ見学しました。
もし中に入る際は、静かに、尊敬の気持ちを忘れずに見学しましょう。
モスクワ門
元々、1811年にアレクサンドル1世の治世10周年を記念して建てられた門。
1925年に破壊され、現在建っているのは2011年に再建されたもの。
アンガラ川の岸に建てられています。
コサックの像
モスクワ門と同じく、アンガラ川沿いに建てられている像。
この街の始まりはコサックの宿営地ですから、それを象徴しているのでしょう。
イルクーツクを訪れたときは、街の起源なんて知らなかったからよく分からなかったけれど、今振り返ってみるとそのような意味があるのでしょう。
川沿いには道が整備されており、ウォーキングやランニングに適しています。
ボゴヤヴレニヤ大聖堂( Собор Богоявления )
コサックの像の、車道を挟んで向かい側にある、色彩鮮やかで美しい教会。
ちょうど私が訪れたときは、屋根を工事していました。
このエリアにはいくつか教会が集まっています。
スパスカヤ教会
緑豊かな公園の中にひっそりとたたずむ教会。
庭園が美しく、教会の関係者と思われるおばあさんがお花の手入れをされていました。近所の人が集まり談笑したりしていて、静かな時の流れる素敵な場所でした。
教会の背の部分には、古そうなフレスコ画が。
元々19世紀のもので、1970年代に復元されたそうです。
中央市場
各街で、私が必ず訪れるのが中央市場。
そこで地元の野菜を買って、自分で調理して食べるのが好きなんです。
イルクーツクの中央市場も、たくさんの品物が並び、大変栄えていました。
他の市場と同じく、屋外には野菜や果物、日用品などが売られており、屋内には乳製品やお肉などが売られています。
もし何日か滞在するなら、こういう場所で食べ物を調達してみてはいかが??
スーパーでは見かけない、その地の野菜にトライしてみてくださいね。
“シベリアのパリ”風情のある街並み
シベリアのパリ、とも呼ばれるイルクーツク。
その名の通り、市内中心部にはヨーロッパ風の美しい街並みが。
普段からなのか、時間的になのか、、ひっそりとしていて、それがまた風情を醸し出していました。
アンガラ川に沈む夕日
イルクーツクを流れる2つの川の一つ、アンガラ川。
列車に乗る前の時間に、先ほどご紹介したコサックの像やモスクワ門のある場所とはまた別の場所から、夕日を眺めることができました。ここから、写真に写っている橋を渡ってすぐのところに鉄道駅があります。
おわりに
シベリア東部の都市、イルクーツク。
ウラジオストクから3日もかかってやっとたどり着きましたが、まだまだ首都モスクワまでは遠い、辺境の地。
そんな場所にも、何気ない日常を送る人々が住んでいること、彼らの暮らしを営んでいること。美しい街並みがあること。そんなことを考えると、感慨深いものがあります。
滞在したホステルで、イルクーツクの大学で日本語学んでいるという学生達に出会いました。
一人は、数年前に日本に留学したこともあり、話し方が日本人そのもの。もう一人は今まさに、日本に留学中。
多くの日本人が知らないであろう場所に、日本を気に入ってくれて、学んでくれている人たちがいるってなんだかとても嬉しいことですね。
これからシベリア鉄道に乗ってロシアを旅しようと考えられてる方。
ぜひイルクーツクの街に立ち寄って、街歩きしてみてください。普通の人々の、何気ない日常がそこにはあります。