小樽から東に20kmの場所にある、1934年に建てられたニッカウイスキーの余市蒸溜所。
2014年に放映されたNHKの連続テレビ小説「マッサン」のモデルです。
余市蒸溜所は、無料で見学することが可能。試飲ができたり、そこでしか買うことのできないウイスキーを買うことができたり、ウイスキーが好きな方にはたまらないのでは?
今回、ガイド付きの無料ツアーに参加し、無料で試飲もさせていただきました。
アクセスや、実際にツアーに参加してみたときのことをまとめようと思います。
ニッカウイスキー余市蒸溜所について
ニッカウイスキーといえば、日本を代表するウイスキーのメーカー。
1937年、創業者の竹鶴さんがここ、余市工場を建設。ウイスキーは製造から出荷まで期間が必要のため、その期間は果汁の会社としてジュースの製造をしながら、1940年からウイスキーの販売を開始しました。
当初は果汁の会社だったため「大日本果汁株式会社」それを略して「日果」「ニッカ」というわけ。会社のこれまでの歴史が名前にも反映されており、面白いですね。
NHKの朝ドラ「マッサン」を見た方はご存知かもしれませんが、創業者の竹鶴さんはウイスキーの本場、スコットランドに単身渡り、ウイスキーの製造方法を学びました。彼の働きにより、日本のウイスキーは、世界に知られることとなりました。
また、留学の際に出会ったリタという女性と結婚し、支えあいながら事業を行ってきたことはとても有名なエピソードです。
現在、余市蒸溜所は無料で見学することが可能。
また、ガイドツアーへの参加や試飲も無料。より貴重なウイスキーに関しては、有料で試飲することもできます。
無料のガイドツアーに参加してみました
- 申し込み方法
私は、インターネットで事前に申し込んでからツアーに参加しました。
1〜10名の場合、事前申し込みは公式Webサイトから可能。11名以上の場合は電話かFAXでの予約が必要です。
私が訪れた日は、当日に受付で申し込むことも可能なようでしたが、念のため、旅行の日程が決まっているなら事前に申し込んでおいた方が無難だと思います。
ツアーが開催されるのは、毎日9:00から15:30まで。ほぼ30分間隔で開催されています。
ニッカウイスキー余市蒸溜所は、このような、ヨーロッパの御伽話に出てきそうなデザインの建物。この門をくぐると、受付があるので、そこでガイドツアーの事前申し込みをしてある旨を伝えましょう。伝えると、ガイドツアー参加者のつける番号札が渡され、待合室で待っていてください、と伝えられます。この番号札は、ツアー参加者とそれ以外を見分ける印となるので、目に見えるところにつけておきましょう(ツアー参加者のみ入れるエリアがあります)。
また、約90分のガイドツアー中は、トイレ休憩はありません。事前に済ませておきましょう。待合室には、トイレ、喫煙所、自動販売機、コインロッカーなどが一通り揃っています。
時間になるとガイドツアーが始まります。
平日の昼間だというのに、結構たくさんの人が集まりました。
一つ一つの建物の役割や、ニッカウイスキーの歴史を、丁寧に説明してくれるガイドさん。
一見、全ての建物が博物館のように思えますが・・・今でも実際にウイスキーを作っている、ということに驚きました。
この日は運が良く、稼働日。職員の方が火をくべているところを見ることができました。
このポットスチルは、最初の工程では手前の2つが、次の工程では奥の2つが使われているそう。1つ、今では使われていない小さなポットスチルは、創業当時のものとのこと。
また、それぞれのポットスチルにしめ縄が締めてありますが、これは日本酒の醸造をしていた創業者の実家の風習を受け継いだものとのことです。
現在、この伝統的な製造方法を守っている工場は、世界の中を見てもここ、余市蒸溜所だけとのこと。ものづくりに対する執念のようなものを感じますね。
ウイスキーは、樽に入れて貯蔵しておくことによりあの琥珀色になるそう。
樽を作るにも、釘を一本も使わず、職人技で作っていく。
ウイスキーを貯蔵しておくと、大半が蒸発して減ってしまう。
そんな、手間暇かかるウイスキー製造の場を実際に見て、感動しました。
また、この工場の敷地内には、創業者が妻と共に暮らしていた家も移築されています。
和洋折衷の素敵なお家。玄関ホールのみ中に入って見学することができます。
余市蒸溜所の敷地内には博物館もあります。ウイスキー製造の歴史を知ることができ、奥には有料の試飲コーナーも。今では市場に出回っていない貴重なウイスキーを飲むことができます。
私は、別棟で無料の試飲をしました。
無料の試飲ができるのは、「スーパーニッカ」「余市モルト」「アップルワイン」の3種類(アルコールの飲めない方や子供向けにソフトドリンクも用意されています)。
スーパーニッカは、数種類のウイスキーがブレンドされており、飲みやすい口当たりですが、余市モルトは一種類のウイスキーで、少し癖があるとのこと。それを思って飲んでみると、普段ウイスキーを飲まない私も、「確かに・・・」と思いました。
試飲コーナーには、おつまみの自動販売機も。思い思いの時間を過ごすことができます。
また、お隣にはレストランもあり、そこでもウイスキーや、それに合う食事を楽しむことができます。ウイスキー好きの方にはたまらないのではないでしょうか。
小樽から余市蒸溜所へのアクセス
余市蒸溜所は、小樽から西に約20kmの場所にあります。
小樽駅からは公共交通機関で約30分から40分程度です。
バスの方が頻度が高く運行されていたので、私はバスを利用。片道440円です。
バスは小樽の中央バスターミナルから余市行きに乗り、「余市駅前十字街」で降りると蒸溜所の目の前。途中、海が見え、景色も良くて楽しい小旅行でしたよ。
Google Mapでバスや電車の時間を確認することができます。
おわりに
普段お酒を飲まない私。
ウイスキーに対しての興味も薄いのですが、工場を見学することで、その情熱や、質の高さを知ることができ、日本のものづくり、として、ウイスキーに興味を持つようになりました。
普段お酒を飲まないし、あんまり強くないですが、お酒の製造に関わる苦労、情熱、それに思いを馳せながらお酒を味わえる人になれたらな。と思いました。
興味のない方にも、ぜひ小樽や札幌にきたら訪れて欲しい場所です。