雑記

初めての狂言・能鑑賞

私は、来年には海外に行きたい、と思っている。
だが、最近「日本文化」にはまっている。海外に行けば実際に見ることが難しくなる!と思い、雅楽やら落語やら仏像やらを観に、週末ごとに色々な場所に出かけている。結構忙しい。

今回は、初めて狂言・能を鑑賞した。
前日に会社の飲み会があって疲れていたこと、遅れそうで走ったことなどが災いし、鑑賞前の「おはなし」や能の中〜終盤にはうつらうつらしてしまった…。

けれど、秋に鑑賞した雅楽の成立した時代から時代が流れ、
衣装や音楽がより「日本チック」になっていること、
当時の習俗をより直接的に知ることができることなど
伝統芸能の面白さを改めて感じた。

一言で言うと、
「狂言はコメディー!」「能は…まだよくわからない…(寝てしまったし…)」。
次回は体調を万全に整えて、寝ないようにしたい。。。
狂言が強く印象に残ったので、感想を書いてみようと思う。

今回鑑賞した狂言は「袴裂」と言う題名。
現行狂言である「二人袴」の古い形を、絵や本をもとに再現したものらしい。

「袴裂」の舞台は、当時のメジャーな習俗である「聟入り」。

聟入りは、聟が舅を挨拶に訪れる儀礼。
当時はこの日まで、聟と舅が顔を合わせたことがない、なんてこともあったらしく、かなり緊張する・重要な場だったらしい。

この狂言の中では、聟は予定より1日早く舅の家に来てしまう。
舅は慌てて身なりを整えようとするも、「袴」がない。
太郎冠者(たろうかじゃ)の袴を共有するも、色々しているうちに袴が裂けてしまう。
何とか裂けた袴で誤魔化すも、舞を舞っている最中にバレて、
「恥ずかしや〜恥ずかしや〜」と舅と太郎冠者が退散。
劇場内では観客の笑い声が響き、
狂言はコメディーなんだ!と知ることができた。
狂言の内容や、衣装に垣間見える当時の習俗も面白い。
「袴」を履かなければ正装にはならなかったのか、という驚きや、
歩きづらそうな長い袴の奇妙さ。
同じ日本でも、時代ごとにかなり変わっていて興味深いなと思った。

  • 太郎冠者とは
    狂言の中で最もメジャーなキャラクター。
    1番めの召使いのことを指している。
  • 長袴とは
    武士の正装の一種らしい。足の長さより長くて歩きづらいのは、
    戦意がないことを示しているらしい。

国立能楽堂では、一人ひとりの座席にモニタが設置されており、
設定すれば解説や歌の歌詞(?)が表示される。
そんなにわかりづらい言葉でもないが、ありがたかった。
前知識ゼロ!と言う方でも、興味があるなら一度観に行くのも良いかもしれない。