2023〜24 カナダ トロントワーホリ

【カナダ】カナダの芸術について(1)カナダの風景画〜Lawren S. Harris・「グループ・オブ・セブン」〜

私が旅する中で興味を持つのが、訪れた国の芸術。
美術館を訪れると、たいていその国のアーティストのコーナーがあって、それらの雰囲気からその国の精神性みたいなものを少し垣間見れる気がするのです。

トロントで美術館を訪れたり、カナダの芸術についての記事を読んだりする中で、カナダの芸術もとても興味深い!と感じたので、まとめてみようと思います。

第1回目はLawren S. Harrisさんについて。19世紀末〜20世紀を生きた、カナダで誰もが知る偉大な画家です。

Lawren S. Harrisの絵画

トロント Art Gallery Ontario(通称 A.G.O.)を訪れた際、カナダのアーティストコーナーで目にした絵画。

雪や雲、山の質感や、何か神秘的な雰囲気の独特の作風にとても惹かれました。

AGOにて Lawren S. Harrisの作品
AGOにて Lawren S. Harrisの作品

これらを描いたアーティストが、Lawren S. Harris。

20世紀初頭のカナダのペインティングスタイルの先駆者で、特に1920年台の氷山や山、湖を抽象的に描いた作品が知られています。また、カナダの風景画アーティストのグループ、「グループ・オブ・セブン」のメンバーの一人でもあります。

AZUSA
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もちろん年代によって少しずつスタイルは異なるので、見ている中で「これもLawren S. Harris!?と驚いた作品もありました

グループ・オブ・セブンについて

グループ・オブ・セブンは、1920年代に活動していたカナダの風景画のグループ。
元々の7人の画家で結成されましたが、後に他の画家も参加するようになり、結果「カナダ画家グループ」というグループになりました。

トロントのA.G.O.では、Tom Thomsonコレクションのコーナーでたくさんの「グループ・オブ・セブン」メンバーによる作品を見ることができました。

AZUSA
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Tom Thomsonは後にグループ・オブ・セブンになるメンバーの中で活動していましたが、グループ結成前に事故で亡くなってしまったそうです。Tom Thomsonの絵画もとても素敵なのでカナダの美術館を訪れたらぜひ観てみてください!

これらの絵画を見ると、それぞれどこか似ているけれど、違っていて、アーティストそれぞれのものの捉え方を垣間見ることができるのが面白いなと思います。

例えば、A.Y. Jacksonの絵画はモコモコとした質感はLawren S. Harrisに似ているけれど、少し重量感があり暗めで、自然のよくわからない不気味さみたいなものが感じられる気がします。

A.Y. Jacksonの作品

A.J. Cassonのこの作品は優しくて神秘的な雰囲気だったり

A.J. Cassonの作品

Frederick Varleyの作品は荒々しくて自然の力強さを感じられたり…

Frederick Varleyの作品

後に訪れた「McMichael Canadian Art Collection」では、同じ年の同じ時期、少し離れた同じエリアで描かれた2つの作品が隣合って展示されているコーナーがありました。一つは暗く、もう一つは生き生きとした明るい生命力を感じる作品。作者の心の中を想像しながら見るととても面白くておすすめです。

終わりに

これまで、私はカナダの芸術について何も知りませんでした。なんとなく、いろんな先住民族が住んでいるから、いろいろな伝統的なアートがあるんだろう、くらいに思っていたのですが、カナダに来て美術館へ行ってみると、カナダの雄大な自然とヨーロッパで流行していたペインティングスタイルが組み合わさって新たな風景画のスタイルが生まれていて・・・

人やものの移動、交流によって新しいアートが生み出されるんだな・・・と感動してしまいました。

カナダに来たら、ぜひ美術館にも足を運んでみてくださいね。

トロントのA.G.O.は毎週水曜日の夜、無料で入館することができますカナダでは無料で入れる曜日や時間帯を設けている美術館・博物館が多いので訪れる前に要チェックです!