2023タイ北部旅

【2023タイ北部旅】クンユアム WW2の足跡を巡る〜タイ日友好記念館・慰霊碑・アクセス・宿泊場所

年末年始のタイ北部旅。第二次世界大戦関連の場所を訪れるため、クンユアム(Khun Yuam)という、メーホンソーンから南へ行った小さな村を訪れた際のことを書いていこうと思います。

【旅程】
12/30 関空→バンコク(飛行機)
         バンコク→チェンマイ(夜行バス)
1/2 チェンマイ→パーイ(バス)
1/4 パーイ→Wat Pa Tam Wua ワットパータムウア(ソンテウ)
1/8 ワットパータムウア→クンユアム(ソンテウ)
1/9 クンユアム→メーホンソーン(ソンテウ)
1/11 メーホンソーン→パーイ(ソンテウ)
1/13 パーイ→チェンマイ(バス)
1/15 チェンマイ→バンコク(夜行バス)
1/17 バンコク→福岡(飛行機)

クンユアム(Khun Yuam)について

クンユアムのメインロード

クンユアムは、メーホンソーンから南に67kmほどの場所にある小さな村。ミャンマーとの国境に近く、タイヤイ(シャン)族、カレン族など複数のエスニックグループが暮らし、文化を育んできました(タイ日友好記念館の動画より)。

クンユアム タイ日友好記念館にて クンユアム郡には多くのエスニックグループが居住している

その地理的な特性から、第二次世界大戦では日本軍のビルマ方面・インパールへの侵攻の拠点として活用されました。当時、多くの日本兵がクンユアムに暮らし、そこには村人との温かな交流も生まれたそう。しかし、戦争末期にはインパールから逃げてきた多くの日本兵がここで命を失いました。
インパールからここへ向かうまでの道は「白骨街道」として今でも多くの遺骨が眠っているようです。

参考
読売新聞「戦後70年に学ぶ ミャンマー白骨街道のいま」
Global news asia「タイ人に愛された日本兵〜終戦の日にチューチャイさんに捧ぐ(全7回)」

クンユアムの地図

今回私は、第二次世界大戦に関する展示が豊富な「タイ日友好記念館」と、寺に建立されている第二次世界大戦の慰霊碑を訪ねてこの村を訪れました。

第二次世界大戦 日本兵の足跡を辿る

タイ日友好記念館

クンユアム タイ日友好記念館

タイ日友好記念館は、タイと日本の歴史を伝えるべく、2006年に建てられた博物館。第二次世界大戦の頃、ビルマ戦線への重要拠点とされたクンユアムでは、多くの人が日本軍と共に働き、そこには友好関係が築かれることもあったそうです。

戦後、たくさんの住民が日本兵の品々を保存していたそう。そんな貴重な品々がこの博物館には展示されています。

クンユアム タイ日友好記念館にて
クンユアム タイ日友好記念館にて 残された軍服
クンユアム タイ日友好記念館にて 当時クンユアムでは、いくつかの寺院が病院として使われたそう
クンユアム タイ日友好記念館にて 日本軍の兵士が使っていた食器
クンユアム タイ日友好記念館にて 当時の車のボディ

屋外には、タイと日本の国旗が掲げられていました。

クンユアム タイ日友好記念館にて
クンユアム タイ日友好記念館にて 慰霊塔

慰霊塔の前にはお花やお供え物が置かれ、きれいに整備されていました。

ここに残されている日本軍の足跡は、きっと、こういう場所を作って保存・継承していかないと消えていってしまう・・・とても貴重な場所だと思います。

記念館の地下にはこの地域の文化を知ることができる展示もありました。お祭りや伝統料理、文字に関する展示は特に興味深かったです。後にメーホンソーンのナイトマーケットでここで見た料理を見つけ、「あ、これだ!」と嬉しくなりました。

クンユアム タイ日友好記念館にて タイヤイ(シャン)文字についての解説
クンユアム タイ日友好記念館にて 伝統料理についての解説

日本軍とクンユアムの歴史を知るにも、この地域の文化を知るにもおすすめの場所です。ぜひ訪れてみてください。


先ほどご紹介した「ユーント ホテル」からは700m、徒歩10分かからないくらいの距離です。入場料は100バーツ。

ワット ムアイトー

タイ日友好記念館の道路を挟んで右手にある寺院。第二次世界大戦当時病院として使われ、多くの日本兵がここで亡くなったそうです。

クンユアム ワット ムアイトー

境内では、「ビルマ戦線将兵鎮魂の碑」「日本軍将兵遺骨埋葬の地」「クンユアム会(クンユアムに慰霊碑を建てることを目的とした会)の建立した碑」をみることができます。

クンユアム「ビルマ戦線将兵鎮魂の碑」
クンユアム「日本軍将兵遺骨埋葬の地」
「クンユアム会」建立の碑

どれもきれいに整備されているようでした。

また、その近くには当時の様子を表現した像が並んでいました。

ワット ムアイトー 傷ついた日本兵の像
ワット ムアイトー 歩く日本兵
ワット ムアイトー 地元の人と日本兵との交流

日本から遠く離れたここで、亡くなった人がたくさんいたんだよな・・・。戦争っていったいなんなんだろう。どうすれば平和な世の中になるんだろう。改めて、考えさせられました。

日本兵がクンユアムに残した足跡を収集した人

日本に帰ってきてクンユアムのことを調べていると、
チューチャイ・チョムタワット氏 という方のことが出てきました。

氏は生前、日本兵がクンユアムに残した色々な話を収集したり、住民が保存していた品々を買い集めて博物館を設立(※現在のタイ日友好博物館とは異なる)、戦争に関するエピソードの伝承を責務として活動されていたそう。

彼が収集したエピソードを少し読んでみて、戦争ってなんなのか、平和ってなんなのか、考える良い資料となると思いました。

以下のWebサイトにまとまっているので、ぜひ読んでみてください。
また、amazonでは彼のまとめた書籍を購入することもできます。私もこれから読んでみようと思っています。

・【コラム】タイの人々に愛された日本兵〜戦争直後にタイであったいくつかの実話(全7回) 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話

・amazon 第二次世界大戦でのクンユアムの人々の日本の兵隊さんの思い出
電子書籍、紙の本両方あります。Kindle Unlimitedを契約している方は、2023年1月現在、無料で読めます。

Webサイト 第二次世界大戦でのクンユアムの人々の日本の兵隊さんの思い出

アクセス〜黄色ソンテウでローカルな旅

メーホンソーンとクンユアムを結ぶソンテウ 街と街との物流も担っている

メーホンソーンからクンユアムは、黄色いソンテウで結ばれています。山岳地帯のため、急なカーブが多くソンテウの速度もゆっくり。移動には2時間以上かかったような気がします。

メーホンソーンの市場前から、クンユアム行きの黄色ソンテウが出ています。
黄色ソンテウは街と街との物流も担っており、色んなお店を経由して行くのでバス停を出てからも出発までに結構時間がかかります。

クンユアムに行くバスは、利用する観光客も少なく英語での行き先表記がありませんでした。「クンユアム!クンユアム!」とバス停で色んな人に聞いていると、バス停のボス的おじさんがこれに乗れと教えてくれました。

AZUSA
AZUSA
私の発音が現地の人は聞き取れなかったみたいで、正解のソンテウを見つけるのに手こずりました・・・

帰りは7:00AMごろにクンユアム発。
とても小さな村のため、前日、ホテルのフロントの方がソンテウのドライバーさんに電話してくれ、ホテルまで迎えにきてくれました。
メーホンソーンからの移動と同じドライバーさんで、言葉は通じないけれど身振り手振りでちょっと仲良くなれた気がします。

メーホンソーンに行く朝の便は荷物でいっぱい 積み下ろしを少し手伝ったりしました

謎の根っこの長い野菜や香辛料と一緒にバスに揺られ、一緒に乗っていたおばさんと朝食を食べ、無事メーホンソーンへ。ローカルで、とても良い旅でした。

このくらいの距離なら、レンタバイクで日帰りで行くこともできますが、ローカルな旅がしたいから、黄色ソンテウを強くお勧めします。

オススメの宿泊場所

私はクンユアムに1泊しました。宿泊したのはこちらの「ユーントホテル(Yoont Hotel)」。ダブルルームで、1泊600バーツ。

ユーントホテル
ユーントホテル 部屋にはタイヤイ文字のアートが

決め手は、ランチを食べた食堂の人が「ホテルならここ」と教えてくれたことや、タイ日友好記念館にユーントホテル作成のクンユアムマップが掲げられていたこと。信頼できそうだなと思い選びました。

ユーントホテルから見たクンユアムの景色

結果、とても静かだし部屋はシンプルながら心地よいし、とっても満足のいく滞在でした。

最後に

クンユアム タイ日友好記念館にて

数年前、原一男監督の「ゆきゆきて神軍」という映画を見て、戦争というものについて興味を持ち、以来、本や映画、ネットで自分なりに知識を集めてきました。実際に外国でこのような場所を訪れるのは初めて。

タイやミャンマーで日本が戦争していたこと自体を知らない人たちも多いので(私自身、数年前はあまり良く知らなかったし、関心もなかった)、そういう人たちに少しでも関心を持って平和について考えてもらえたらな。。と思います。

私も、これからも考え続けて、平和のために自分なりに行動します。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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