首都、モスクワから極東ウラジオストク、約9,200kmを繋ぐ列車、シベリア鉄道。
その終着駅が、ウラジオストク駅です。
2019年8月、私はシベリア鉄道に乗り、途中下車もしながら1ヶ月間かけてロシアを横断しました。ウラジオストク、バイカル湖、アルタイ地方、モスクワ・・・少しずつ変化していく地形や人々の様子に、深い感慨を覚えました。
今回は、シベリア鉄道の終着地(私にとっては始発駅)、ウラジオストク中央駅をご紹介しようと思います。
ウラジオストクとは?
ウラジオストクは、ロシアの極東地域にある港湾都市。
「日本に最も近いヨーロッパ」と言われており、東京から飛行機で2時間半ほどで行くことができます。
ウラジオストクは元々は金や元、清の支配領域でしたが、19世紀からロシア帝国の領土に。港町として発展し、現在ではロシア海軍の基地が置かれる軍港都市になっています。
また、ウラジオストクの見どころについてはこちらの記事にまとめてあります。
ぜひ読んでみてください。
シベリア鉄道とは
首都モスクワと極東ウラジオストクを結ぶ列車、シベリア鉄道。
アジア側からヨーロッパ側へと、ユーラシア大陸を横断している鉄道で、総延長は9,200km以上。世界で最も長い鉄道と言われています。
19世紀半ばから計画が始まり、一部エリアを除き1904年に開通。帝政ロシアが内戦の状態にある時期には整備が行き届かず、不通になっていたところもありましたが、ソビエト連邦になってからは国内の経済開発、兵器や物資の輸送に重要な役割を果たしました。
第二次世界大戦後には、シベリア開発を目的として多くの労働者が酷使、日本軍の捕虜もシベリア地域で強制労働に従事させられました。シベリア抑留、と言われていますね。
シベリア鉄道は現在でも、ロシアの重要な輸送路。シベリア鉄道によって他の地域に農作物を輸送できるようになり、シベリア地域の農業は大きく発展しました。
今後も、路線を拡大していく構想もあるよう。
個人的にも、これからも発展を見守り続けたい&何度も利用したい鉄道です。
ウラジオストク中央駅
さて、ウラジオストクやシベリア鉄道の歴史を知った後は、ウラジオストク中央駅がどんなところか、どんな歴史を辿ってきたか、書いていこうと思います。
ウラジオストク中央駅が開業したのは今から100年以上前の、1893年。
駅舎は古代ロシアの宮殿をイメージしているそうで、1912年に完成したそう。
待合室の天井には、モスクワとウラジオストクの名所が描かれています。
駅には、ウラジオストク空港とを結ぶアエロエクスプレスと長距離列車と、2種類の列車が乗り入れています。
※空港から市内への移動は電車よりもバスがおすすめ・・・。残念ながら、電車は1日5往復しか運行していません。
駅は市内中心部の南側、半島の付け根部分にあります。
ウラジオストクから、シベリア鉄道に乗って・・・
私はここウラジオストクから、まずはバイカル湖近くの街イルクーツクに向かいました。
深夜、鉄道に乗り込みます。
シベリア鉄道でウラジオストクからモスクワへ行くには、途中下車しなくても1週間ほどかかります。しかし、「そんなに時間がない!」という方でも、シベリア鉄道をちょこっと体験することは可能。
ウラジオストクの北におよそ760kmの場所にある「ハバロフスク」という場所も人気の観光地。ウラジオストクとは異なり内陸にある街で、アムール川とウスリー川という2つの大河が近くにあります。また別のロシアを見ることができること間違いなし!ですので、もしちょっとしか時間が取れない、けれどシベリア鉄道に乗ってみたい・・・という方、ぜひハバロフスクに行ってみてください♪
※ウラジオストクから鉄道に乗ってハバロフスク に移動するには、通常の観光ビザが必要。電子ビザでは行くことができないので、ご注意ください。
おわりに
アジアとヨーロッパを結ぶ鉄道、シベリア鉄道。
これまで、日本からヨーロッパへ行く、となると飛行機で、という選択肢しか思い浮かばず、アジアとヨーロッパて全然別の世界、という印象でした。
しかしこのように鉄道で移動してみて、一つの大陸、繋がっているんだな、ということに気がつきました。世界観がちょっと変わった、ということなのか。
シベリア鉄道の旅、とてもおすすめです。
鉄道の乗り方や、チケットの買い方、車内での過ごし方・・・などは、また別の記事にまとめたいと思います。