こんにちは、 AZUSAです。6月中旬にケベックシティ・モントリオール・オタワの3都市を巡る旅をしてきました。
オタワの見どころはなんといってもたくさんの国立博物館。
今回は「Canadian Museum of History(カナダ歴史博物館)」を訪れ、これまであまり知らなかったカナダの歴史や文化をイヌイットの前に居住していた人々から現代社会まで通して学ぶことができました。
同じような興味関心を持つ方は本当に楽しめると思いますし、音や光、建物など、展示方法も工夫されていて子供も楽しめる展示になっているように感じました。親子連れにもオススメです!
CONTENTS
概要
Canadian Museum of History(カナダ歴史博物館)とは
カナダ歴史博物館とは、ガティノーにある国立歴史博物館。人類史や文化多様性にまつわる文物の収集、研究、保存、展示を行っています。また、1年間に120万人が訪問するカナダで最も入場者数が多い博物館でもあります。
エキシビジョンは4フロアに分かれており、そのほか子供博物館やシネマも併設されています。
気になる入場料は…大人 22カナダドル(=2,340円)、子供(2歳〜12歳)15ドル(=1,600円)。
カナダ歴史博物館までのアクセス
歴史博物館はオタワ川を挟んでケベック州側の「ガティノー」という街にあります。
オタワとガティノーは繋がっているので、オタワ側から橋を渡って徒歩でアクセスすることが可能です。
この橋はオタワ川に架かるアレクサンドラ橋。カナダ国立美術館の横から歴史博物館の脇まで繋がっています。オタワ川の中間地点から見る景色はとても美しかったです。
博物館の内部
ここが博物館の入り口。曲線が印象的な建物は、氷河や先住民の顔がモチーフなんだそう。
2階 チケットオフィス
博物館の入り口を入ってすぐのところに、受付があります。ここでチケットを購入することができます。(もちろん、チケットはインターネットで購入することも可能です)
屋根にはイヌイットの人々でしょうか、犬橇の場面が表現されていました。
1階 Grand Hall 太平洋側の先住民の文化
2階にあるチケットオフィスからエスカレーターで1階に降りると、「グランドホール」があります。ここには太平洋側の先住民の文化が紹介されており、トーテム・ポールや各民族の家が展示されています。
ここに展示されているトーテム・ポールの多くは1,800年代から1,900年代初頭にかけて制作されたものだそうです。そのほか、現代のアーティストによって制作されたものも展示されています。
また、これらの家は100〜150年前に撮影された写真から再現されたものだそうです。
このトーテムポールや家々の後ろ側にある展示スペースには、祭祀用のお面や日用品などが展示されている他、ヨーロピアン到来後のツーリズムによる影響や経済の変化など興味深いテーマで多様な品物が展示されていました。
私にとって特に興味深かったのが、このお面。このお面には実は仕掛けがあって、一つの顔からまた別の顔へと変身することができます。
北西岸の先住民族にとって、「トランスフォーメーション」は大きな力を内包しているそうです。自然と共に生きる中で、もしかしたら今年は鮭が採れないかもしれない、とか、人間も生まれ、育ち、死んでいく・・・。そんな日々のさまざまな変化の中で育まれたのであろう価値観をこれらのお面たちにも見てとることができました。
1階 First Peoples Hall 先住民たちの文化
1階にはもう一つボリュームの大きい展示があります。それがここ、First Peoples Hall。ここには、ファースト・ネーションズ、メティス(ファースト・ネーションズとヨーロピアンの混血)、イヌイット(北に住む人々)の歴史、多様性、文化が展示されています。展示品は歴史的なものから、現代のアーティストによる作品まで様々。
特に興味深かったのが、彼らの間で語り継がれている「Sky Woman」という創造神話。イロコイ語族の人々の間では、同じストーリーの異なるバージョンが話されており、この展示はその神話をもとに作られています。
Sky Womanの物語 (展示より)
この世界が創られる前、空に浮かぶ島に空人が住んでいました。ある日、妊婦の空人が木が引っこ抜かれたところにできた穴から下に落ちていきました。落ちていくうちに、彼女は海を見ました。
下界では、動物たちが集まって、空から何が降ってきたのか眺めていました。鳥たちが彼女を導き、大きな亀の甲羅の上に降ろしました。動物たちは海の底から泥を集めて亀の甲羅の上に敷き、そこから大地が始まりました。
亀の甲羅の上が空から落ちてきた女性の家となり、そこで彼女は空の世界から持ってきた植物ータバコや苺を含むーを育て、それが彼女の薬となりました。彼女は命を育み、今日知られているHaudenosaunee(イロコイ連邦)の母となりました。
そのほかにも、さまざまな物語が展示されており、その文化の豊かさを体感することができました。
その中の物語の一つを表現したNorval Morrisseauのカラフルな絵画も展示されていました。
3階 カナダの初期、植民地時代のカナダ
3階はヨーロピアン到来以前のカナダから、到来後の植民地時代のカナダの歴史を学ぶことができます。
個人的に興味深かったのがこの「The First Face」。
象牙で作られた女性の顔で、3,900〜3,600年前に作られたそう。北米で最も古い人間の顔で、歳をとった女性を表現していると推測されています。
顔に彫られたこの線はフェイシャル・タトゥーのようにも見えます。1,900年代半ば頃まで、イヌイットの女性の中には、同じようなタトゥーを顔に施していた人もいたそうです。
4階 現代カナダ
4階では現代カナダに関する展示を見ることができます。
特に興味深かったのが、カナダの国旗に関する展示。なんと、カナダで国旗が決まったのは1965年。たった60年ほど前のこと!
これは1995年のケベック独立住民投票についての展示。僅差で「No」が上回り、ケベックはカナダに残ることになりました。
ほか、人権、移民、LGBTQ…等々興味深いテーマの展示が数多くあり、次の展示に移る度に、「本当に、日本と異なるな。この違いはどこから来るんだろう?」と不思議な気持ちでした。
休憩にオススメの場所
カナダ歴史博物館は再入場が可能です。展示を見て疲れて、でもまだ見たいので途中近くのマクドナルドへ行って休憩しました。
ここのマック、結構良かった(治安的にも清潔感にもお店の広さも)ので、博物館を訪れる人にオススメです。
おわりに
カナダ歴史博物館は、トロントに来た時からずっと行きたかった博物館。カナダの歴史・文化を先住民の前の時代(現在先住民と呼ばれる人々の前にも誰かが住んでいた!)から現代まで網羅するものすごいボリュームの博物館で、見終わった後は本当にお腹いっぱいになりました。
日本人として教育を受けていると、北米の歴史や文化ってあまり詳しく勉強しないので、私はカナダに来て分からないことだらけでした。知りたいな、と思っても記事やまとめサイトでは断片的な情報になってしまうし。もっと初めから終わりまで一貫した歴史を知りたい!という私にとってはまさにぴったりの博物館でした。
また、民俗学や人類学にも関心があるため先住民のお面や日用品の展示や服の展示、物語の展示などもとても興味深く、自分が知らない世界がまだまだ広がっているんだな、ということを身をもって実感できました。
おそらく同じような興味関心を持っている方は本当に楽しめるはず!オタワに行ったらぜひ、歴史博物館を訪れてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪
ブログ村への投票や、SNSのフォローよろしくお願いします
Instagram:@azusa_1111_
Twitter :@azusatraveler
ブログ村 :にほんブログ村