2019年4月〜5月、イラン、アルメニア、ジョージア、トルコ東部を巡る旅をした。実はこの旅行の期間がラマダンに被り、イスラム国家イランでは食べ物を見つけられず、トルコ東部ではイフタールに招かれ、などなどラマダン関連の様々な体験をした。
今回は、トルコ東部の街 ワンで経験したラマダンに関する体験をお伝えする。
ラマダンやイスラーム教についてのイメージを少しでも持ってもらえたら嬉しい。

ラマダンって?
ラマダンとはイスラム教の断食月のこと。
この期間中、敬虔なムスリムたちは日の出から日没まで(実際には国によって違うようだ)飲食をしない。また、飲食だけではなく喫煙や性行為なども禁止され、この期間中は言動も慎む。
ラマダン明けには、断食の終わりを祝う「イド・アル=フィトル」が催され、家族や友人の間でお祝いする。
ラマダン中、ラマダンを行なっているムスリムたちは、太陽の出ていない時間にご飯を食べる。最後のお祈りの後に食べる食事「イフタール」は彼らにとってとても重要な意味を持っており、家族や友人が集まって食事をとる。
ラマダンの目的は、自己犠牲や、飢えた人への共感を育むこと。
この期間中、貧しい人への寄付が多く行われる。
2019年のラマダンは、5月5日〜6月3日。
イランでのラマダン経験についても過去記事にしたので、覗いてみてほしい。
日没後の食事、イフタールに招かれる
イフタールとは、日没後の断食を解く食事のこと。
イフタールはとても重要な意味を持ち、イスラム諸国では、家族や友人で集まったり、人を招待したりしてご馳走を食べる。
私は、トルコ東部の街ワンで、日没頃に街を歩いていたところ、通りがかったお菓子屋さんで「食べていきなよ!」とイフタールに招待された。

このお菓子やさんでのイフタールのメニューは、大きなパン、ピラウ(豆のピラフ)、煮込み料理、サラダ、などなど。
パン&お米という炭水化物の量がすごくて、しかも完食しなければならないので苦しい・・・!!イフタールにお邪魔した3日間で少し顔がふっくらした気が・・・;
イフタールに招待されて、ラマダン中は人々のシェアする心が高まる期間なんだな、と強く感じた。
このお菓子やさん「Halep」にはイフタールの時間帯だけじゃなく、昼間もよくお世話になった。このお店にいると、お客さんが「あら〜、どこから来たの?」とワラワラ集まってきたり、セルフィーを求められたり、、色々な人と交流ができて、本当に楽しかった。
トルコ東部で見聞きしたラマダンあれこれ
子供達は色々食ってるよ

私が入り浸っていたお菓子屋さんには、ラマダン中にも関わらず、日中もお客さんがちらほら訪れていた(もちろん日没後の方が忙しい)。
大半は、日没後に食べるであろうお菓子を大量に買っていく人か、子供連れ。
子供は日中でもアイスやお菓子など色々食っていた。
(子供や妊婦、老人など体力的に難しい人はラマダンを免除される)
そして私も色々食っていた。
トルコのムスリムたちは「俺がラマダンやってるんだから、お前もやれ!」じゃなくて、異教徒の私には気遣いをしてくれる人ばかりだった。
口臭が・・・!
ラマダン中、ムスリムたちは食べ物はもちろん水すら口に入れない。
ということで、口臭が気になってくる。
もちろん、お菓子やさんの青年も、口の臭いが気になった・・・;
とあるトルコ人にこのことを言うと、こう言っていた(その人はラマダンをしていない)
「天国の香りだ」
と・・・。
ムスリムたちは冗談でこう言うことを言うらしい。
ラマダンへのモチベーション
朝早くから夜まで何も食べないなんて、大変でしょ?ととある人に聞いてみた。
すると、帰ってきたのはこんな答え。
「自分でやりたくてやっていることだから、苦しいとは思わない」
ラマダンは、誰かに見張られているわけでもなく、見ているとしたら神様のみ。
敬虔なムスリムの彼らは喜んで断食をしているように見えた。
おわりに
イランでは全てのレストランやカフェが閉まっており、食べ物を確保するのがとても難しかったが、トルコ東部ではバーガーキングやチェーンのレストランやカフェ(MADOやSIMIT SARAYI)などは日中も開いており、飲食をしている人も多かった。
国家的にラマダンをしていて、食べていると非難されてしまうイランに比べ、トルコでは自分でやりたくてやっている人が多くて素敵だった。
ワンといえば朝食が有名だが、ラマダン期間中は全ての朝食サロンが閉まっていた。次来るときは、ラマダン期間以外に来たいものだ。。。
