こんにちは。AZUSAです。6月中旬、ケベックシティ・モントリオール・オタワの3都市を巡る旅をしました。
モントリオールといえば、美しい大聖堂やニュー・フランス時代の街並みが残る旧市街が有名。私もそれらの名所を巡り、素敵な街だな〜、と思っていました。
が、旧市街からモン・ロワイヤル(美しい景観が望める小高い山)へ歩いている途中、たくさんのホームレスがうろうろしていて、言葉は悪いけど、まるでゾンビシティのようになっているエリアがありました。
それが、この「ミルトン=パルク」というエリア。
至る所にホームレスがいて、ホームレスによっては複数人で固まっている人たちも。普通の人も歩いていることには歩いているのですが、ホームレスの数がすごい・・・トロントやケベックシティでは見たことのない雰囲気。
そして、彼らを見てみると、顔が白人ではないんです。
茶色っぽい皮膚、アジア人のような目鼻立ち。
モントリオールに住む人に聞いてみたら、彼らは「Indigenous People」だそうです(カナダでは、先住民族・・・ファースト・ネイション、特に北に住むイヌイット、混血のメティスをひっくるめてIndigenous Peopleと呼びます)。
後にネットで調べてみると、この「ミルトン=パルク」というエリアは特に暴力、麻薬取引、売春などで問題になっていたエリアで、家を持たないIndigenous Peopleが集まる場所でもあったそう。この地域のホームレス問題がCTV(カナダ最大の民放テレビ)の記事になっていました。
2022年5月の記事によれば、モントリオールでは、Indigenous personはそうではない人に比べホームレスになる割合が27倍、中でもイヌイットの人々はIndigenousのホームレスの中でも25パーセントを占めるそう。(イヌイットの人々のモントリオールに住むIndigenous の人々に占める割合はたったの5%)
記事では、モントリオール市やケベック州がイヌイットの人々に向けた具体的な施策を持たないこと、資金不足によりシェルター等のサービスも質が低下していることなどが書かれていました。
そもそもIndigenous Peopleのホームレス問題は、昔、親から子供を引き離して強制的に学校に通わせた「レジデンシャル・スクール」の歴史が大きく関係しているようです。レジデンシャル・スクールの結果、Indigenousのコミュニティは引き裂かれ、家族内にロールモデルとなるような人がおらず、貧困が受け継がれていく…ということが多く起こっているそうです。また、その結果アルコールやドラッグに依存する人の割合も多いようです。(語学学校の先生から聞いた話も含め)
また、別の記事によれば、カナダの人口のうち約5%がIndigenous Peopleであるにも関わらず、都市エリアではホームレスの人口のうち20〜50%をIndigenous Peopleが占めているそうです。また、都市エリアではIndigenous Peopleがホームレスになる割合は15人に1人の一方、一般の人は128人に1人、という研究結果も出ているそうです。
植民地だった多くの国々には、もともと住んでいた人々の抑圧の歴史がありますが、それが今でも大きく影を落として問題を引き起こしているなんて、これまで知りませんでした。
カナダやアメリカ大陸に来ているからこそ知ることのできた問題。そして、世界を見る上で忘れてはいけない視点だと思ったのです。だからこそもっとこの問題について自分なりに、そして色々な人と意見を交わしながら考えていきたいと思いました。
参考
CTV Indigenous people experiencing homelessness in Montreal a “humanitarian crisis” Published May 4, 2022
homeless hub-About Homelessness-Indigenous Peoples
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